備蓄米ってなに?なぜ今話題になっているのか

こんにちはこんばんはいらっしゃいませおはようございます。僕です。

最近ニュースや報道などで「備蓄米」という言葉をよく耳にする。
なんとなく備えて蓄えてある米なんだろうということは「備蓄米」という文字から読み取れる。
だけど、実際は「備蓄米」ってよく分からない。
そもそも備蓄米とは何なのか、なぜ今話題になっているのか、その背景にも軽く触れて整理しておきたい。

備蓄米ってなに?

備蓄米とは、政府備蓄米のことで、農林水産省が主導して確保・管理している米のこと。
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食糧法)という法律に基づいて、米の需給や価格が著しく変動する事態や台風や冷害などの自然災害時などに備えて、一定量の米を計画的に備蓄している。
食糧法は、主食である米や麦の流通を整え、政府の対応を通じて、需給と価格を安定させ、国民の暮らしと経済の安定に貢献することを目的としている。
備蓄米制度は、1993年に起きた「平成の米騒動」とも言われる大凶作をきっかけに制度化されたもの。
当時はお米が極端に不足し、消費者がスーパーに殺到するなどの混乱が起き、その反省を踏まえて、政府は1995年から法律により、備蓄米を制度として整備した。
現在は、「10年に一度の不作にも対応できる」量として約100万トンの米を常に確保する体制となっている。
備蓄米は、国が一括してどこかに保管しているわけではなく、全国の指定された民間倉庫(米穀倉庫)などに分散して保管されている。
保管環境は、温度や湿度が一定に保たれるように管理されており、カビや虫が発生しないような衛生管理の徹底がなされている。
備蓄の運用方法は、毎年一定量の新米を買い入れ、備蓄の年数は大体5年程度で、古くなった米は順次放出される。

古米・古古米・古古古米

備蓄米の説明でよく出てくるのが「古米」「古古米」「古古古米」という、なんともリズミカルな言葉。
これは収穫された年度による呼び分けで、

  • 古米:前年産の米
  • 古古米:2年前産の米
  • 古古古米:3年前産の米

という感じに区分されている。
一般的にお米は9〜10月ごろに収穫され、「新米」という表示は食品表示基準により、その年の12月31日までに精米・袋詰めされたお米に限って使用できると定められている。
つまり、同じ年に収穫されたお米であっても、年を越すと「新米」とは表示できなくなる。
このタイミングを境に、そのお米は「古米」として扱われるようになる。
備蓄米も、時間が経つごとにこうした古米となり、最終的には飼料用や加工用(米粉など)として利用・処分されることが多い。
水分を多くしたり炊き方に気をつけたりすれば、人が食べても味の違いはそれほど大きくないらしい。
でも、「炊きたての新米こそ至高」と思う人が多く、「古米=おいしくない」という先入観が根強い。

なぜ今話題に?

備蓄米が、なぜ今話題になっているのかは、報道やSNSを見ていると色んな背景があるみたい。
その中でも、一番わかりやすい根本的な原因は、お米の価格が上がっているということ。
農林水産省の公表資料「相対取引価格の推移」からも「お米の価格の高騰」が確実に起きている客観的な事実であることは間違いない。

なので、「米の需給や価格が著しく変動する事態」として、政府が備蓄米を活用して対応している感じ。
お米の価格の高騰」の原因については

  • インバウンド需要(コロナ禍明けや訪日外国人による飲食・宿泊業の回復)による業務用米の需要急増
  • 不作による供給不足
  • 実質的な減反政策の継続
  • 中間業者の介在による流通マージンの増大
  • 燃料費・物流コスト・農業資材の価格上昇や円安によるコスト高騰

この辺が原因だといわれているが、特定の原因というよりは、いろいろな原因が絡み合って「お米の価格の高騰」が起こっているんじゃないかと思う。
今挙げた原因も解消するべき問題ではある。

まとめ

備蓄米の放出に対しては、「本来は飼料米として処分されるような古米を人間の食用として出すのか」「数十円で処分される予定だった古米を2000円前後で売るのはおかしい」など、品質や価格への批判が多く見られる。
こうした放出そのものを問題視するのであれば、そもそも備蓄米制度の存在意義自体が揺らぐことになる。
見直すべきは放出の方法よりも、その根拠となっている食糧法の中身。
加えて、お米の需要は年々減少傾向にあり、日本の食文化そのものとして、どう向き合うかを考える必要がある。

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