無断駐車は罰金を払わなくてもいい?

こんにちはこんばんはいらっしゃいませおはようございます。僕です。

コンビニやスーパーの駐車場で「無断駐車したら罰金1万円」という表示をよく見かけたりする。
無断駐車に対して、土地の所有者は罰金を科すことはできるのか。

無断駐車ってなに?

無断駐車とは、土地の所有者や管理者の許可なく駐車すること
主に私有地で無断駐車が発生して、民法上の不法行為になる。
不法行為によって損害が生じた場合、その損害を賠償する責任を負うことになる。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

民法第709条

コンビニやスーパーを利用する目的以外で駐車場に車を停めたことにより損害が生じた場合、その損害を賠償する責任を負うことになる。
不法行為の賠償責任という民事責任が発生するが、単に車を駐車場に停めただけでは不退去罪や住居侵入罪などの刑事責任が発生する可能性はとても低い。
民事不介入の原則により、犯罪とは関係のない個人間のトラブルには警察は介入しない。
退去要求を無視するなどの追加の行為があれば刑事責任が発生する可能性が出てくる。

無断駐車と似た言葉で違法駐車というのがある。
違法駐車とは、違法駐車は公道で道路交通法に違反する駐車のこと
違反かどうかは法令次第で、例えば駐車禁止区域に停めると反則金が科される(道路交通法第45条)。
私有地に停めたら無断駐車で民法が関係し、公道の禁止区域等に停めたら違法駐車で道路交通法が関係してくる。
こんな感じに、無断駐車と違法駐車は別物。

罰金ってなに?

罰金とは、刑罰の一種で、行為者から強制的に金銭を取り立てる財産刑のこと。
刑罰は公権力に基づいて裁判所が科すこととなる。
公権力とは、国家や公共団体が、法律に基づいて国民に対して一方的に命令し、強制力を持って執行する権力のこと。
例えば、違法駐車に対する措置で警察が反則金を求める(道路交通法第51条)のは公権力の行使といえる。
つまり、罰金公権力の行使となる。

罰金請求は払わなくてもいい?

私有地の看板に「無断駐車したら罰金1万円」と書いてあっても、罰金は公権力に基づいて裁判所が科すものなので、それは法律上の罰金ではなく、私人が勝手に作った請求にすぎない。
私人が勝手に作った請求なので、法的根拠は無く、従わなければならないという義務はない。
一方的に命令し、強制力を持って執行することは、公権力を持たない私人にはできない。
つまり、私人が「罰金」として請求してきた金銭については支払わなくても良き
土地の所有者として請求することができるのは、民法第709条の不法行為の賠償責任に該当する場合の損害賠償請求のみとなる。
この場合、無断駐車によって実際に受けた損害を証明する必要がある。
周辺の駐車場の料金と同等の額程度は請求できるらしい。

看板の「無断駐車したら罰金1万円」を信じて、無断駐車した側が金銭の支払いをした場合、法的根拠のない不当な利得として返還の請求ができる余地がある。

法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

民法第703条

看板の表示は詐欺?恐喝?

「無断駐車したら罰金1万円」という看板の表示は、虚偽の表示として詐欺になるのか。
詐欺罪とは、人を欺いて財物や財産上不法の利益を得る行為などに成立する犯罪。
「罰金」という言葉は法的には誤りだが、民事上の損害賠償請求を意図したものと解釈される可能性が高いため、看板自体が「虚偽の事実」を積極的に伝えているとは言い切れない。
単に看板で「罰金1万円」と表示しているだけでは、詐欺罪は成立しにくいと考えられる。
人を欺くというよりかは、無断駐車をさせないための脅し文句として「無断駐車したら罰金1万円」と表示している意図の方が強いといえそう。
脅し文句ということは、恐喝になるのか。
恐喝罪とは、人を恐喝して財物や財産上不法の利益を得る行為などに成立する犯罪。
「罰金」という言葉によって「払え」と示唆していたとしても、看板の表示は一方的な告知に過ぎず、相手に恐怖心を抱かせるほどの脅迫行為とは言い切れない。
単に看板で「罰金1万円」と表示しているだけでは、恐喝罪は成立しにくいと考えられる。
こんな感じに、欺罔行為も脅迫行為も認められにくいので詐欺罪も脅迫罪も成立しにくい。
細かい構成要件はあるが、「これは法律で決まった罰金だから払え」と偽ったり、「払わなきゃ車を壊すぞ」と工具を見せて脅したりすれば、詐欺罪や脅迫罪に該当する可能性が出てくる。
剥がす時にガラスに傷がつくような強力な糊で、フロントガラスとかに警告文書を貼り付けて車を損傷させたりすると、器物損壊罪に該当する可能性も出てくる。

トラブルを避けるには

無断駐車された側は、看板で警告するくらいは良いが、レッカー移動や過剰な罰金請求は避けた方が良き。
無断駐車した側は、金銭の支払いを請求されたとき、その額の根拠を確認した方が良き。
そもそも無断駐車はしない・させないというお話ではあるが、私有地かどうか分かりにくかったり、駐車しても良いと勘違いしてしまったりすることもある。
相手を懲らしめようと考えず、誠実に対応することがトラブル回避に繋がる。

まとめ

「無断駐車したら罰金1万円」という表示は、大体が法的根拠はなく、言うならば脅し文句。
実際に罰金を科すことはできないが、無断駐車をさせないための抑止力としての効果はあるのかもしれない。

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