こんにちはこんばんはいらっしゃいませおはようございます。僕です。
政治的なお話の中でよく出てくる「右翼」とか「左翼」という言葉。
なんとなく「右翼は保守っぽい」「左翼は革新的」という印象があるけど、実際に「どういう意味?」と聞かれると、ちょっと説明に困ってしまう。
一体この「右翼」「左翼」はどんな立場を指す言葉なのか。
そもそもなぜ「右」と「左」で分けられているのか。

右翼は、めちゃくちゃ簡単に言うと保守派。
保守は、既存の価値観・制度・秩序・伝統を尊重し、それを維持・安定させようとする立場や思想のこと。
変化よりも継続や安定を重視する。
右翼という言葉は、もともとフランス革命期(1789年~)の議会で、旧制度を守ろうとした保守派・王党派などが議長席から見て右側に座ったことから生まれた政治用語。
当時の意味合いとしては「現状を変えない立場=保守派」という感じ。
現代における右翼は、単なる現状維持だけではなく、伝統的な価値観や国家の理想像を回復・実現するために、むしろ積極的な変革を目指す「改革志向の右翼」も存在している。
一般的に右翼は「秩序・体制・身分・伝統」などを重視し、それらを守るための行動や思想の総称といえる。
- キーワード:秩序・体制・身分・家族・道徳・伝統・国家・権威

左翼は、めちゃくちゃ簡単に言うと革新派。
革新は、現状の制度・秩序に疑問を持ち、より平等で自由な開かれた社会を目指して変革を求める立場や思想のこと。
伝統や慣習に縛られず、社会制度の見直しや改革を推進する。
左翼という言葉は、右翼が議長席から見て右側に座った一方で、改革を求める革新派・急進派は左側に座ったことから生まれた政治用語。
当時の意味合いとしては「現状を変えようとする立場=革新派」という感じ。
現代における左翼は、単なる革新や急進だけではなく、自由や平等や人権を守るために、むしろ改革には慎重で現状維持を目指す「保守的な左翼」も存在している。
一般的に左翼は「平等・改革・多様性・国際主義」などを重視し、社会の不平等や抑圧に対して革新を求めるための行動や思想の総称といえる。
近年、保守の対局として「リベラル(自由主義)」という表現をしたりする。
ただ、リベラルは本来経済や個人の自由を重視する思想であって、左翼全体を表すわけではない。
- キーワード:平等・改革・急進・人権・福祉・多様性・国際協調・国際主義

右翼と左翼はそれぞれ方向性によって上表のように比較することができる。
右翼は、伝統や国家の自立性を重視する閉鎖的傾向や、経済や社会制度に対して政府の介入は消極的であるべきとする小さな政府志向が見られる傾向にある。
一方左翼は、平等や国際協調を重視する開放的傾向や、経済や社会制度に対して積極的に政府が介入すべきとする大きな政府志向が見られる傾向にある。
例えば、外国人よりも日本人を優遇すべきというのは伝統重視とする右翼的考え、選択的夫婦別姓を推進するのは多様性を認めようとする左翼的考えになる。
考え方の違いによって「右翼的」「左翼的」と捉えることができるけど、「右翼」「左翼」とは、本来異なる価値観を持つ人々が、より良い社会を目指して議論するための立場であって、敵味方を分けるラベルではない。
どちらもより良い社会を目指しているという点では共通している。

右翼・左翼は「思想」によって対立するけど、その思想を主張する「手段」によってそれぞれまた立場が変わってくる。
「言論」を重視するか「行動」を重視するかという、言論と行動のバランスによって主張手段に幅がある感じ。
つまり、「思想の方向性(保守か革新か)」と「手段の方向性(言論か行動か)」は別軸で考える必要がある。
手段の方向性としては、言論を重視する傾向がある穏健派、行動を重視する傾向がある過激派がある。
穏健派とは、自分の思想を対話や選挙、制度の中で表現する人や団体。
社会の安定や多様な意見の尊重を重んじるイメージ。
例えば、中道右派、中道左派など。
中道は、思想の方向性が極端に偏らず、現実的な妥協やバランスを重視し、左右の良い部分を柔軟に取り入れようとする立場をとる。
過激派とは、自分の思想を強く主張し、時に暴力的・排他的手段も辞さない人や団体。
社会にショックを与えて変革を起こそうとするイメージ。
例えば、街宣右翼、新左翼など。
こんな感じに、穏健派や過激派は左右どちらにも存在し、言論と行動のバランスによって立場が変わる。
他にも、右翼・左翼を右派・左派と呼んだり、
- 右翼:観念右翼、革新右翼、反共右翼、民族派右翼、極右、ネトウヨ
- 左翼:急進左翼、革命的左翼、共和主義左翼、文化左翼、極左、パヨク
などいろんな右翼や左翼の分類や呼称がある。
ネトウヨ・パヨクは「組織」ではなく「言論スタイル」としてのネットスラング。
単に「極右」「極左」という言葉は、思想の方向性(保守か革新か)が極端に強いという意味を表す。
これらは必ずしも過激派とは限らないけど、その強い思想故に、行動で強い主張を表現しがちなので過激派になりやすくはある。
また、「過激派」といっても必ずしも暴力的とは限らず、大規模なデモや突発的パフォーマンスによる強い主張を行う非暴力の行動派も存在する。
同じように「穏健派」といっても、必ずしも対話一辺倒とは限らず、時にはデモや署名活動などの合法的な圧力手段を活用する言論派も存在する。

政治的な立場は「右翼」か「左翼」かの二択で語られがちだけど、実際はそんな単純な二極対立ではなく、もっと多様で連続的なもの。
上の図では、左上を左翼、右下を右翼として赤〜黄色のグラデーションで示しているけど、これはあくまで便宜的なもので、図自体は右翼・左翼の軸によるものではない。
この図は、ノーラン・チャートという政治哲学の観点から見た政治思想の概念図。
簡単に言うと、政府からの自由度を表す図。
縦軸は、個人の生き方や表現、生活様式の選択が、どれだけ国家や社会から干渉されないかという個人的自由。
上に行くほど国家や社会は個人の私的領域に介入すべきではないという立場で、下に行くほど国家や社会による秩序維持・道徳的価値の保護を優先するために、個人的自由をある程度制限すべきという立場となる。
横軸は、財産・商取引・労働・生産・消費などの経済活動が、どれだけ国家や社会から干渉されないかという経済的自由。
右に行くほど政府は経済になるべく介入せず自由な市場を守るべきだという立場で、左に行くほど格差是正や公共福祉を重視するために、政府による所得再分配や規制を積極的に行うべきという立場となる。
- 左上:リベラル
個人的自由:高い
経済的自由:低い
表現の自由や多様性、人権、福祉を重視し、社会の不平等に対して、国家が介入して是正すべきと考える。 - 例:社会自由主義、選択的夫婦別姓、同性婚の合法化、LGBT法整備、高所得者への累進課税、生活保護の充実など。
- 左下:権威主義
個人的自由:低い
経済的自由:低い
個人より国家や集団を重視するため、社会秩序や国家の統制を最優先し、国家が介入して是正すべきと考える。 - 例:全体主義、排外主義、ファシズムなど
- 右上:リバタリアン
個人的自由:高い
経済的自由:高い
政治・経済ともに個人の選択と責任を尊重し、自由競争によるべきとし、なるべく国家は介入すべきでないと考える。 - 例:新自由主義、市場原理主義、公的年金制度の縮小、減税、規制緩和、民営化など
- 右下:保守
個人的自由:低い
経済的自由:高い
国家の伝統・秩序・家族観を守ろうとするため、個人の自由には一定の制限を加える一方で、経済活動については自由を重視し、なるべく国家は介入すべきでないと考える。 - 例:伝統主義、国家主義、自由貿易など
今挙げた例はあくまでも一例であって、ファシズムは左下にも右下にもなり得るし、自由貿易は右下にも右上にもなり得る。
また、リベラル・リバタリアン・権威主義・保守などは単なるラベル貼りのようなもので、人によってそれらに対する印象や定義がぶれる。
そのため、分類する人が変われば個人的自由と経済的自由の度合いが変わり、必ずしも同じ箇所に分布されるとは限らない。
個人の思想のみならず、政策ごとの傾向を分析して整理することで、政治的な立場の整理にブレが少なくなる。

右翼・左翼は、どちらも「より良い社会」を目指す立場だった。
右翼は伝統や秩序を重んじ、左翼は平等や改革を志す。
それぞれの立場には穏健派もいれば過激派もいる。
現代では、こうした立場の違いを冷静に理解するのではなく、「右翼だ」「左翼だ」とレッテルを貼り、相手を否定するための武器として使われがちな気がした。
本来、右翼も左翼も、自分の国や社会と真剣に向き合っている人たちの表現の一つにすぎない。
立場が違うからこそ対話が必要であり、レッテルを貼って切り捨ててしまえば、自分とは異なる視点から学ぶ機会を失ってしまうと思った。
余談だけど、ベーシックインカム(BI)という政策をノーラン・チャートに照らし合わせたら、設計思想の違いによってどこの分類にもなり得るというのが面白かった。
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